世界よ、これが日本だ!ジャパニメーション名作10選!

経済産業省が進めるクールジャパン政策の目玉はジャパニメーションです。日本はこれからアニメで食べていこうとしているのです。ディズニー、ピクサーがなんぼのもんですかと。ウチには宮崎駿、新海誠、細田守・・そうそうたる巨匠がずらっといるのですよ。アニメってオタクでしょとか、子供が観るものでしょとか上から目線のあなた!このランキングの映画を観て反省して下さい。そして日本にはアニメがあると胸をはろうじゃあーりませんか!あ、いや、強制はしませんけども。

10位
 GHOST IN THE SHELL ~攻殻機動隊~


監督:押井守
出演:田中敦子/大塚明夫/山寺宏一

ロボットみたいな人間か、人間みたいなロボットか・・・

そんなにアニメに詳しくないもんで、世界に誇るジャパニメーションなどというたいそうなランキングを作るとなると、とりあえずネームバリューがほしいもんです。さすがにジブリ作品でランキングを埋め尽くしてしまうと、見向きもされないでしょうから。

ということで、本作品はこのランキングに信頼感、僕に安心感を与える作品です。「いやいや攻殻センパイ、ホントなんにもしなくていいですから。座ってくれてるだけで良いんで。」そんな具合です。

・・・まあ、要するにですね。僕はこの映画の良さを熱狂的なファンの半分も理解出来ていないんだと思うのです。なにしろ攻殻機動隊が所属する「9課」を「旧家」だと思っていたくらいですから・・・。なんでSFモノなのに「旧家」に属しているのかと。まさか旧家やら分家やらで財産争いをするわけじゃああるまいな、という具合でした。ということでランクインさせないわけにいかんだろうということでランクインです(苦笑)。

9位
 パプリカ


監督:今敏

出演:林原めぐみ/古谷徹/江守徹

普段はツンツンしても、夢の中ではデレデレなのだ。

監督の今敏(こんさとし)さんは2010年に46歳という若さで亡くなってしまいましたが、日本だけでなく海外からの評価も高いアニメ監督だったそうです。なんでもクリストファー・ノーラン監督にも影響を与えているとか。このパプリカは今敏作品の中でも一番という呼び声も高いので、今敏作品を観たことが無い人は、まずこれを観ることをオススメします。

ちょっとややこしい話なので、一回観ただけでは分からないかもしれない作品だけど、「なんでそうなるの?」とかあんまり難しく考えずに楽しんだら良いと思います。主人公が夢の中だと見た目も性格も全く変わっちゃうツンデレ具合を楽しみましょう。わたくしは、このツンデレ具合と、主人公とおデブの天才研究者との関係がなんともエロい気がしました。

あと印象的なのはエンディング曲のテクノ(平沢進「白虎野の娘」)。軽快でこの映画にピッタリです。

今敏監督はSF作家のフィリップ・K・ディックに影響を受けているそうで、確かにパプリカもブレードランナー(フィリップ・K・ディック原作)っぽいところが出てきます。でもってさらに、レオナルド・ディカプリオの「インセプション」はパプリカをベースにしてるんじゃないか?って思えたりするわけで、SF界っていうのはこうやってバトンが受け継がれているようです。一歩間違えるとパクリなわけですが、自分から認めてしまえばインスパイアされたんだとちょっとカッコつけられます。

8位
 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生


総監修:庵野秀明
出演:緒方恵美/三石琴乃/林原めぐみ

庵野監督、ゴジラはいいから完結編を早く作って!

エヴァンゲリオン大好きでした。といっても好きだったのはテレビ版なんです。毎週30分ずつ大興奮するのが良かったんですね。エヴァの世界を2時間かそこいらにまとめるのはちょっと無理だったみたいです。その後いくつも映画化されたけどどれもテレビの興奮は上回れませんでした。新シリーズのヱヴァンゲリヲンなんて、エとヱ、オとヲの使い分けとか、惣流と式波の違いとか意味あるんですかね・・・。完結編(シン・エヴァンゲリオン)は楽しみではありますが、テレビ版の興奮を超えてくれそうな気はしません。

とは言え、日本を代表するアニメであることは間違いないので、テレビ版の総集編とも言うべき劇場版の第1作目がランクインです。サービスサービス!!

7位
言の葉の庭


監督:新海誠
出演:入野自由/花澤香菜/平野文

東京ノスタルジー。実写よりもリアルな感覚!

京都に引っ越してきて8年経つのですが、僕が育ったのは東京です。地方から東京に出てきた人の郷愁を描いた作品は多いけど、東京育ちの郷愁を描いた作品はあまりみかけないですね。

この映画は決してそういう類いの映画では無いけど、僕にとっては完全に東京ノスタルジー作品でした。新宿御苑、千駄ヶ谷駅、NTTドコモのタワー、新宿駅、総武線・・・。もう僕の思い出そのものです。しかも絵が生半可でなくリアル。夕立のシーンではまるで自分がずぶ濡れになった気がしたし、非常階段で雪野さんが転ぶシーンではいてっ!って声が出そうになりました。ここまできたらもう実写で良いんじゃないか?と思わなくもないけど、やっぱり絵で表現する良さがあるんだろうなー。

淡々と物語は進むけど、採寸シーンが実に官能的です。

めちゃめちゃ丁寧にじっくり手間ひまかけて迎えるクライマックスで思いきり涙腺を開放してください。秦基博がカバーした大江千里のRainも凄くナツメロでノスタルジー!

6位
 AKIRA


監督:大友克洋

出演:岩田光央/佐々木望/小山茉美

何十年経っても色褪せないSFアニメ映画の金字塔!

ジャパニメーションという造語はこのAKIRAが海外で評価されて出来た言葉なんじゃないでしょうか。要するにAKIRAがあるからこのランキングがあるのです。もはや説明不要のSFアニメ映画の金字塔なわけです。僕が観たのは20年以上前になりますが、相当衝撃を受けました。・・・いや、本当に相当衝撃を受けたのですが、内容はあんまり覚えてません。すみません。「色褪せない」と書きましたが、僕の記憶は若干色褪せてしまいました(汗)

アニメ的な賞賛ポイントはよく分からないけど、とにかくアクション、バイオレンス、SFという男の子大好き要素が満載です。原作マンガも読んだ(はず)のですが、確か「風の谷のナウシカ」みたいに原作の方は、映画の続きが描かれていたと思います。高校生だった僕が原作のほうが面白い!!って興奮していた記憶があります。どう面白かったかは全く記憶にないのですが・・・。

ちなみに大友克洋監督は、ジャパニメーションは好きな言葉じゃないらしいです。なんででしょう。日本も外国も関係ないよってことですかね?

5位
 鉄コン筋クリート


監督:マイケル・アリアス
出演:二宮和也/蒼井優/伊勢谷友介

松本大洋の2番目の最高傑作をアニメ化!

マイケル・アリアス監督・・・。外国の方が監督をしているということが、果たしてジャパニメーションなのか?と不安にさせますが、まあ製作会社が日本なので日本のアニメでOKでしょう。なんと言っても原作が大好きな松本大洋なので、ランキングにいれないわけにいきません。マンガの実写映画は外れることがしばしばありますが、マンガのアニメ化はわりかし相性が良いように思います。

アニメ化で難しいのが声優選びですね。もうさすがに慣れたけど、こち亀アニメ化当初は両さんがラサール石井ですって?という具合に違和感があったものです。そういう意味ではクロ=二宮和也、シロ=蒼井優は僕のイメージとピッタリ合ってました。特にシロのほうは意外な人選だったけどイメージ通りでした。当時「もちもーち。こちらシロ隊員。応答どーじょー!」が我が家でちょっとした流行語になったもんです。

ということで原作ファンにも満足いく出来映えかと思います。でも原作を全く読んでいないともしかしたら分かりにくいところもあるかもですので、映画を観る前でも後でも良いので原作も是非お楽しみください。

ちなみに松本大洋作品では 「花男」が一番好きです。こちら是非ともテレビのほうでアニメ化してほしいもんです。声優は花男=ロバートの秋山竜次(理想は芦屋雁之助ですがお亡くなりなっているので断念)、茂雄=神木隆之介でヨロシクです。

4位
 耳をすませば


監督:近藤喜文

出演:本名陽子/高橋一生/立花隆

キュンキュンという言葉を実感せよ!

一つくらいは純愛系アニメを入れておきましょう。この映画を観た時に初めて「キュンキュン」という言葉を実感しましたね。あまりに理想的な中学生の恋愛を描いているので、この映画を観た後に、自分の現実とのギャップに嫌気がさして落ち込んじゃう人もいるらしいですね。うん。その気持ちも分かります。何しろ主人公の雫ちゃんはモテモテで、その雫ちゃんが恋するイケメンの聖司くんは、ヴァイオリン職人を目指しちゃってるんですよ。カッコ良すぎるでしょ。

で、そのイケメン聖司くんですけどね。百歩譲ってヴァイオリン奏者を目指してるならまだ分かります。幼少の頃からヴァイオリンを習っていれば、その延長線上にヴァイオリン奏者がいることでしょう。でもいったい何を食べて育ったらヴァイオリンを作る職人になりたいなどという素敵で文化的な夢を中学生が持てるのでしょうか。言の葉の庭の時も主人公が「靴職人」を目指していて、やれ随分とキザな夢だねと思ったけど、彼は高校生だったからまだ分かります。聖司くんはまだ中学生ですよ!

40年以上生きてきても自分が夢中になれるような目標をまだ見つけられない僕は、キュンキュンする恋愛よりもそっちのほうが羨ましく感じました。感情移入なんて恐れ多くて出来ませんが、こんな人生もあるらしいよって具合に観ればキズは浅いと思います。

3位
 バケモノの子

監督:細田守
出演:役所広司/宮崎あおい/リリー・フランキー/大泉洋

バケモノでも鼻水たらして泣くアニメ!

全然関係ないんですけど、山崎豊子の「大地の子」という小説があります。今からその小説のネタバレするのでこれから読もうという人はこの先は読まないで下さい。中国残留孤児の物語なのですが、4巻もある長編小説の最後の最後で日本を選ぶか中国を選ぶか悩んでいた主人公が「私は大地の子です」と結論を出すわけです。血が繋がっていない中国の育ての親を選ぶわけですね。血の繋がりってなんだろうと、その時強く思ったわけですが、このバケモノの子も血の繋がりを超えた親子の絆を描いてます。

というか、血の繋がりどころか生き物の種類の壁というか、現実と空想の壁も超えちゃうわけなんですが、その壁をひょいひょいと難なく超えさせてくれるのが、ジャパニメーションの素晴らしいところ。細田守監督はその辺がとっても上手なわけです。

映画館で観ましたけど、鼻水をすするレベルの号泣でした。周りからも鼻をすする音がチラホラ聞こえてきたので恥ずかしくなかったです。誤解を恐れずに言いますが、これで泣けなきゃ人じゃねえ!バケモノでも泣くぞ!ってくらいの映画です。

2位
 となりのトトロ


監督:宮崎駿
出演:日高のり子/坂本千夏/糸井重里

ファンタジーアニメの最高峰。

見解がかなり分かれるところかと思いますが、もともとわたくし一人で決めるランキングですので自信を持って断定したいと思います。宮崎駿監督作品の最高傑作はとなりのトトロです。泣ける映画ランキングでは風立ちぬを推しましたが、あちらはアニメに重要なファンタジー要素がやや欠けているので、となりのトトロが一番なのです。

思えば最初から最後まで通しで観たことは1度しかありませんが、再放送されまくっているので継ぎ接ぎ回数では10回以上観てると思います。トトロやネコバスが実際にいるとは思いませんが、いて欲しいと思えるし、子供にだけ見える不思議ないきものの存在に共感出来ます。

とはいえ、実際にトトロやネコバスに出会ったら、大声で泣き叫びながら走って逃げるでしょうね。トトロの実写版を作ったらファンタジーじゃなくてホラーになるんじゃないでしょうか。ここんところが、魔女の宅急便が実写化されてトトロが実写化されない理由でしょう。

1位
 おおかみこどもの雨と雪


監督:細田守

出演:宮崎あおい/大沢たかお/黒木華

宮崎駿が引退しても日本には細田守がいる!

日本が誇るアニメーションの監督といったら宮崎駿だと思うんです。その宮﨑監督が「風を立ちぬ」を最後に監督業から引退すると表明したのを聞いて、ああもう宮崎アニメの新作を見ることは出来ないんだって、とても残念に思った人も多いと思います。僕もそうです。

でも心配ご無用。宮﨑監督は日本を優秀なアニメ監督の産出国にしてくれたのです。サッカーで例えると10年に一度と言われる逸材が毎年うじゃうじゃ出てくるブラジルみたいなもんです。わんさか後継者が育ってきています。その筆頭が細田守監督です。このおおかみこどもの雨と雪を観て確信しました。細田監督の作品は良い作品ばかりだけど、一番はコレじゃないでしょうか。サマーウォーズを推す声も多いけど、僕はだんとつコレですね。

物語そのものは突拍子もない設定がいくつもあるけど、不思議なくらい全く素直に受け入れられます。例えば開始10分くらいで、主人公が好きになった彼氏は狼男でした的なことになるんだけど、ああそうですか、結構なことじゃないですか、それからそれから?という感じでグイグイ物語に引き込まれて、結局最後は号泣です(笑)


いかがでしたか?もちろんこれ以外にも良作はたくさんあります。ランキングを作ってみて気がつきましたが、日本のアニメは海外アニメと比べて、大人向け作品が多いのが特徴ですね。皆さんもオススメのジャパニメーション映画があれば是非CHANNELCINEMA.COMで投票して下さい!

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